展示会 金沢 factory zoomer/gallery

【店舗】mitani ryuji

Photo by suzuki shizuka
会場:factory zoomer/gallery  金沢市広坂1-2-20
会期:2020年09月18日(金)―2020年10月18日(日)
会期中営業時間:11:00 - 18:00
会期中休業日:月曜(月曜祝日の場合は火曜休)

内容:小さな反骨


私の場合、よく「二足のわらじです」。と説明していた。それは、美術と器制作の二本立ての制作をしていたからだ。作っているモノ、コンセプト、発表の場所など全く違い、その二つが一つになることは一生ないと思っていた。三谷さんの場合はどうなんだろう? まだまだ、木工は家具が主流とされていた時代に、軽やかに、木のカトラリーやバターケース、器等を作り、多くの生活者から支持を受けた。その彼が片方で、絵を描き続けていることをご存知だろうか? ちょうど10年前に1度、東京で、絵だけで展覧会を行っている。絵に出てくるモチーフもやはり三谷さんの日常を思わせるモノが多いようだ。木工制作の合間を縫っての制作のため、そんな沢山は描けない。今回、無理を言って絵と木工作品を一緒に展示させてもらうことになった。これは私自身の興味でもあった。一人の人間から出てくる複数の表現ー絵、オブジェ、器、文章、ここに何か共通のものがあるとしたらそれは一体何なんだろう? いろいろな形での表現のその奥底に、隠そうとしても隠せない小さな反骨を感じるのは私だけだろうか?「小さきもの」「弱きもの」と何かの比喩のように三谷さんが、繰り返し使う言葉。それらの中に宿る本物の強さを信じているからであろう。 辻和美



soup

スープを飲むと身体だけではなく、心も温まるような気がします。それは作ったひととスープを飲んだひととの間に、きっと何かが手渡されるからでしょう。もしも料理や器に、そうした目に見えないものを託す力があるとするならば、用途や美しさだけでなく、工芸には「繋ぐ」という、もうひとつの「用」があるのではないかと思うのです。僕たちが幼い頃は世の中は貧しかったけれど、人と人の信頼関係やつながりは今よりも強かったように思います。分厚い中間層によって安定していた時代から、今は格差や疫病によって人と人のつながりは不安定で、脆弱なものになっている。暮らしの器にできることなど、とても弱いものではありますが、少しでも人と人、人ともの、人と暮らしを繋ぐものであれば、そう思います。  三谷龍二



三谷龍二 経歴

1952年福井市生まれ。1981年松本市に工房PERSONA STUDIOを設立。それまで家具中心だった木工に、普段使いの器としての新たな分野を開く。漆では赤と黒の伝統色に「白漆」を加え、現代の暮らしに合う漆器の世界を作る。他に、日常から拾い上げた親密性の高い絵画や立体作品も制作。1985年より「クラフトフェアまつもと」(松本市)発足より運営に参加するなど、「工芸と暮らしを結ぶ」活動を続ける。2011年松本市内にギャラリー10cmを開店。
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