加賀友禅にローケツ染めを融合させ、より自然な表現を目指して日頃身の回りの花や風景をスケッチしたり、取材旅行のため各地に行き、スケッチした資料で着物を始めとしてパネルの大作から小品まで様々な作品を制作しております。日展を始めとして、水墨画まで発表する作品は多岐にわたっています。工房は金沢市内の閑静な住宅街の中にあり、ゆったりとした庭は作家の心遣いが感じられると思います。

作品はアメリカ・ニューヨークやチベット・エジプト・カンボジア・中国を題材としたものから、日本の自然(花・風景)を題材にしたものまで様々です。

「作家の思い」
私が作品を創作する上で心掛けていることは国内外で出会った風景など、私自身が、感じたものを作品にすることです。日頃観察している庭の草花や飛んでくる小鳥、また取材に出掛けて出会い感動した世界遺産やなにげない景色などをモチーフとした作品にしたいと思い、創作しています。友禅染に留まらずローケツ染や様々な技法を使い表現したいと思っています。その作風は他では見られない自然で柔らかい色調で仕上がっていると思います。

INFORMATION

染色あとりえ石田 / 石田 巳代治

WORKS / PRODUCTS

訪問着「ニューヨーク・ニューヨーク」
訪問着「ニューヨーク・ニューヨーク」
ニューヨークに取材で訪問しエンパイアステートビルの上から市内を眺め、シナトラのの世界を感じ、そのイメージを訪問着に染めました。誰かニューヨークで着て歩いてほしいと思いました。
染絵「能登夕景」
染絵「能登夕景」
故郷へ向かう車から広々とした能登の海に日が落ちていく一瞬を切り取った作品です。松原越しに能登の豊かな海が染まる景色は誰もが心にある故郷への思いが感じられます。
染絵「醒生」
染絵「醒生」
平成19年第39回日展で特選をいただいた作品です。西安の兵馬傭を訪れた時の印象をローケツ染めで表現しました。何千年も年を隔てて発見された傭は作家の意識を過去にいざなってくれました。