白井 渚 個展「だれかの日常」

展覧会

2023年7月1日(土)〜7月9日(日)

縁煌

白井 渚 個展「だれかの日常」

日常の中で積もる思いや言葉たちが、身の回りの生活物に蓄積されていく様子を陶で表現しています。日本には古来からつくも神があるように大切にされた物には魂が宿ると信じられています。物を大量に消費する現代ですが、私たちの身の回りにある物たちもつくも神になる日が来るのでしょうか。(白井渚)

本展で出展される全ての作品にはカタカナが散りばめられている。日本は世界で最も多くの文字を扱うと言われるが、漢字・ひらがな・カタカナと3種類もの文字を使っている言語は世界に他にないとも言われている。その中でも理解するのにいちばん時間を要するのがカタカナ。白井氏はそのカタカナを作品に用いることで、物を見ただけでは、それを使っていた人のその時の想いまではわからないように、人の心の裡(うち)は他者には伝わりにくいことを示唆している。生活の中で感じたことや思いが蓄積されたイメージでカタカナを重ねていき、普段何を話していたか、何を感じていたかを思い返すと鮮明には思い出せないように、特定の文章を載せているのでは無く、五十音のカタカナをランダムに配置している。

コトエリ。Apple社のMacを使用していた方には聞き覚えのある言葉かもしれない。古くは源氏物語の中で用いられている「言選り(ことえり)」に由来し「言葉を選ぶ」ことを意味する。これまで、食器を制作してきた彼女が、このカタカナを自身の解釈で作品に取り込み、再構築して世に送り出すコトエリシリーズ。皆さんは作品たちから何を受け取られるでしょうか。カタカナシリーズのみでの初個展。そして歴史ある和の空間からインスピレーションを得て制作された、本展ならではな作品の数々、それぞれの作品に思いを巡らしながらご高覧いただければ幸いです。

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