インタビューvol.30_本山陽子さん( galleria PONTE 代表 )

インタビュー

2025.10.30

受けとり、繋いで、巡らせて。“循環する金沢の工芸”を巡回する

【目次】
「キュレーター」って、どうやってなるの?
「作る人」を「支える仕事」がしたい
「最初のところ」から並走する
金沢で「現代アートの洗礼」を受けた世代
タウンページで見つけた就職先、待ち伏せして声をかけた作家
「作家にとって何がベストか」という視点で動くこと
作家とギャラリーは“相互関係”だから
工芸は、いっときの“ブーム”ではない
「金沢が世界と繋がる扉は、工芸だ」“一点突破”を試みた先人たち
「受け継ぐこと」と「更新すること」が両立する街で
基礎から育まれた “工芸のエコシステム”
市をあげて作家を応援する稀有な街
世界的な工芸の「トリエンナーレ」や国内唯一工芸に特化した「アートフェア」
「工芸」で連携して、みんなで“パス”を回しながら

金沢の秋は工芸三昧!特に今年は金沢市工芸協会が100周年を迎えた節目でもあり、美術館や広場・ギャラリーなど、まちなかの至る所で工芸にまつわる展示や催しが開催されます。今回は、多くの関連事業のディレクションにも携わっている「galleria PONTE」代表の本山陽子さんにお話をうかがってきました。
ギャラリスト&ディレクターとして、長年金沢の工芸シーンを見つめてきた本山さん。工芸の盛り上がりを語る上で、「作家」はもちろん「プロデューサー」の存在を欠かすことはできません。今回は本山さん自身がギャラリストの道を歩み出したきっかけや、「金沢と工芸の今」そして「様々な立場の人々が工芸で連携する意義」など、お話をうかがってきました。

本山陽子さん。「galleria PONTE」代表。「KOGEI Art Fair Kanazawa」副実行委員長
金沢市里見町にある「galleria PONTE」

「キュレーター」って、どうやってなるの?

ーー長年金沢の工芸シーンに身をおかれ、現在はギャラリストでディレクションの立場からも工芸を見つめておられる本山さんですが、まずはご自身がどうやってキュレーションに携わるお仕事についたのか、うかがってもよろしいでしょうか。というのも「キュレーション」というとまず美術館の学芸員としてのキャリアが思い浮かびますが、「それ以外の道」を教えていただきたく。

本山:なるほど、“第3の道”というか、“野良の道”ということですね(笑)。わかりました。
私が「キュレーター」という職業を知ったのは、中高生の頃に愛読していた雑誌『Olive』で活躍している女性の仕事を特集した記事でした。宮崎の田舎育ちだったので「キュレーター」という言葉すら当時知らなかったのですが、「私がやりたいことはこれだ…!」と衝撃を受けたんですね。
元々工芸が好きで、特に「紋様」や「意匠」に興味を持っていたこともあり、工芸史や美術の歴史全般をまずは学びたいと、金沢美術工芸大学で芸術学を専攻しました。

「全く違う風土の街に行ってみたいなという思いもありました。“雪の降る街”って素敵だなと」そう話す本山さん。

「作る人」を「支える仕事」がしたい

本山:私が学生だった頃というと、もう30年くらい前の話になりますね。当時は就職氷河期ということもあり、割とみんな「卒業してから就職先を考える」という雰囲気だったんです。なので美大の卒業生も「アルバイトをしながら制作を続ける」という人が多かった。
彼らの姿を間近で見ていて「作家活動でどうやって食べていくんだろう」ということがずっと疑問であり心配していたんです。それで「作る人を支える」ような役回りの仕事がしたいと、次第に考えるようになっていきました。

「最初のところ」から並走する

ーー「作る人を支える仕事」。キュレーションというと「学芸員」という道もあると思うのですが、そちらに進もうとは思われなかったのですか?

本山:そうですね。「美術館」という“美の殿堂”というか、“価値付けされた最終地点”も素晴らしいけれど、私がやりたかったのはもっと「最初のところから並走する」「成長していく過程を共にする」ということだったんですね。 また学芸員には「研究職」としての側面もありますが、私は「学術的な研究」よりも「美術と経済がどう結びついていくのか」ということに興味があったので、よりマーケットに近い場という意味でも「ギャラリー」だなと。今なら「金沢アートグミ」さんのようなNPO法人もありますし、キュレーションに携わる仕事にも様々な形態がありますが、当時は「美術館か、それ以外ならギャラリーか」という感じでしたから。

galleria PONTEにて開催されている竹村友里個展「生命譜」(2025年10月11日〜11月2日)

金沢で「現代アートの洗礼」を受けた世代

ーー都市部にもたくさんのギャラリーがある中で、卒業後も金沢に残ろうと思った理由は何かあったのでしょうか?

本山:私が大学4年生の頃にちょうど「金沢21世紀美術館」の準備室や、「金沢市民芸術村」ができ始めたんですよ。ワタリウム美術館の和多利さんの縁で、鶴来町でヤンフートin鶴来という企画が開催されたり、先輩の山本基さんがインスタレーションをされたり、セシル・アンドリューさんの仕事を身近に拝見したことも現代美術の入口でした。お二人とも今はポンテで発表頂けていてご縁を感じます。

私は金沢に工芸を勉強したくて来たわけですが「これが現代アートか…!」と、衝撃を受けた世代でもあります。「地方都市でも金沢ならこんなにも刺激的な体験ができるのか」、そして「この先ますます面白くなりそう」という予感があったので、金沢に残って仕事がしたいと考えました。

金沢21世紀美術館

タウンページで見つけた就職先、待ち伏せして声をかけた作家

ーーちなみに就職先のギャラリーはどうやって探されたのですか?

本山:タウンページです。そこで見つけたギャラリーさんに電話をかけて。

ーー『タウンページ』…!『Olive』といい、人生の岐路を紙媒体で切り拓いてこられたのですね…!

本山:時代を感じるでしょう(笑)。そして、タテマチストリートにかつてあった「美術サロンゆたか」で働かせていただけることになりました。そこは明治・大正・昭和初期くらいの大家の作品や、オーセンティックな茶道具を扱いながらも、二代目の社長になられてからは若い作家も積極的に取り上げられていて、10年ほど働く中で色々と勉強させていただきました。けれど、リーマンショックの煽りを受けてギャラリーを閉じることになり、私は独立という形で犀川大橋のたもとに「galleria PONTE」を2008年に開きました。

「Ponte」とは「橋」の意。「美術も離れた土地を結びつけ、人や精神への架け橋となるもの」として、その橋渡し役をしたいとの想いから名付けられた。

ーー必要に迫られてというか、予期せぬ船出となったと思うのですが、作家さんはどうやって探してこられたのですか?

本山:それまで「美術サロンゆたか」で取り扱っていた作家さんも同時に発表の場を失ったことになるので、彼らの作品を扱わせていただいたり、展覧会を見に行って「これは」と自分が感じた作家さんにお声がけさせていただく中で徐々に徐々に、という感じですね。 現在ポンテで展示してくださる竹村友里さんもそのお一人です。卯辰山工芸工房の修了展で作品を拝見して感銘を受け、竹村さんがいらっしゃるのを待ち伏せして(笑)。そんな出会いからもう20年以上の付き合いになりますね。ニューヨークでの「工芸未来派展」のため一緒に遠征したことも。結婚や出産など様々な変化を経ながらも、今も作家として進み続けていらっしゃる竹村さんと並走してこられたことは、ギャラリストとしてすごく幸せだなと感じています。

竹村友里さん個展風景

「作家にとって何がベストか」という視点で動くこと

ーー竹村さんはじめ、ポンテさんでは長年共に歩んでこられた作家さんが多いと思いますが、作家とずっと良好な関係を築いていく上で大切にされていることは何かありますか?

本山:どうでしょう。私は「作家さんにとって何がベストか」という視点で常に動くことを、自分の中で決めています。そこさえ定まっていれば「作品代金はすぐ払う」「販売後の作品の所在を把握しておく」とか「美術館の学芸員さんや、批評家の方に展示する作家について文章を依頼する」など、やるべきことは自ずと見えてきます。

「ギャラリー」にもいろんなスタンスがあって、方向性を決めてプロデュースしていくようなギャラリーさんもありますが、私はどちらかというと「作家さんに委ねる」タイプ。もちろん思ったことを言わないのも不誠実なので必要なことは言いますが、極力口は出したくない。「見たことがないものを見たい」という思いと、作家に対するリスペクトがあります。

竹村友里さん個展風景

作家とギャラリーは“相互関係”だから

本山:作家とギャラリーって、相互関係だと思うんです。作家さんの「略歴」にギャラリーとして開催した展覧会が掲載される。すると作家さんのステータスが上がるにつれてギャラリーのステータスも上がっていくー‥。つまり「作家さんのステータスを上げるお手伝いをどれだけできるか」がギャラリーのミッションであり、作家と作品を世の中に問うてゆくことが大切だと思います。

そういう意味でも、これだけ作家側が育っている中で、ディレクター側もどんどん人を育てて行かなくてはいけないと、この頃は感じています。作家とディレクターの「どちらが先」というよりもやはり“相互”に引きあっていくものだと思うので。私の年齢的にも「次を育てる」ということを、もっと意識しないといけないなと。ディレクションする立場の席数を増やすか、育つ場を作るなど、制度的なサポートの必要も感じています。まず“土壌づくり”をしないことには出る芽も出ませんからね。

ーー育つためには「食べていける」ことも重要になると思います。身をもって実践してこられた本山さんですが、秘訣はありますか?

本山:社是はまさに「作家と一緒に、美術で飯を食う!」なので(笑)。私たちは作家に成り代わって作品の魅力を伝える「価値の代弁者」であるわけで、価値あるものに対価を払っていただくことには躊躇してはいけないし、その価値を認めていただくための努力を惜しんではいけないと思っていますね。

竹村友里さん個展風景

工芸は、いっときの“ブーム”ではない

ーーありがとうございます。ここまで本山さんのギャラリストとしての半生を伺わせていただきましたが、ここからは本山さんがディレクターとして関わっておられる金沢の工芸についてうかがっていきたいと思います。今工芸が世界的なトレンドになっています。30年以上金沢の工芸・アートの世界に身を置かれていて、今の状況をどのようにご覧になっていますか?

本山:ブームというか、「美術」も「工芸」も普遍的なものですからね。そういう意味において、時代によっていろんな「波」はあるけれど、軸足はぶらさずに自分の中心において「いいものを作る、いい展覧会を開く」ということに尽きるのではないかと思います。

「金沢が世界と繋がる扉は、工芸だ」
 “一点突破”を試みた先人たち

本山:それに今こうして工芸が注目されているのも、これまでの積み重ねが認められてきた、光が当たってきたということであって。金沢においても、現在の流れは突然に起こったわけではなく、山出保元市長や福光松太郎さん(金沢クラフトビジネス創造機構理事長)をはじめとした諸先輩方が「金沢が世界とつながる扉は“工芸”だ」と見据えて数十年前から動いてこられた成果ですよね。2009年に金沢市がユネスコ創造都市にクラフト&フォークアートの分野で認定されたタイミングで「そうか、金沢は工芸で“一点突破”していくんだな」と納得したのを覚えています。その後、秋元雄史先生による「工芸未来派」展の影響も大きいと思います。
工芸が先陣を切って突破して、世界への“風穴”をあけたので、これからは“工芸一本槍”ではなく、ファインアートやデザインも続いていきたいところですよね。工芸は、元々アートやデザインとクロスオーバーするところが多い分野であると思うので。

第3回 金沢・世界工芸トリエンナーレ風景 (2017年)

「受け継ぐこと」と「更新すること」が両立する街で

ーー先人達が練った戦略が、時を経てなお機能し続けているのにはどんな理由があると思われますか?

本山:金沢の工芸は「受け継いでいく」ということと「更新していく」ということが「両立している」ということが一つ大きいでしょうね。伝統もあるけれど、革新されている。また、多様な工芸が小さなエリアに集積しているということも稀有なことです。一つの工芸ジャンルに特化した地域は日本各地にありますが、漆に陶芸、染物に金工やガラス、さらには希少伝統工芸に至るまで、これだけ多様に揃っているというのはとても贅沢なことです。

それに金沢美術工芸大学や卯辰山工芸工房などの教育機関が設けられていて、日本全国・そして世界から若い才能が集積しているということも大きいでしょう。かつ、市民レベルで「美術」や「工芸」へのリスペクトがあり、「使い手/受け手」としての目があって、作家を応援したり、ものを見る楽しみを持っている方がたくさんいらっしゃいます。つまり“工芸の循環”というか、一つの“エコシステム”が生まれているということですね。「道具」や「発表の場」といったものも含めて、生態系になっているからこそ、作家が「生きていくまち」として選ばれているのだと思います。加えて新しいものだけでなく、金沢美術倶楽部があり歴史ある古美術商さんもあり、藩政時代以来の名品良品を金沢に留めおく気概も街に醸成されていることも大きいと思います。

基礎から育まれた “工芸のエコシステム”

ーーなるほど「エコシステム」。これは一朝一夕にはできないもの故に、「企画」や「アイディア」のようにすぐに真似されるようなものではありませんよね。

本山:そうなんです。それもちゃんと風土として“基礎”から育ててきているということが大きいですよね。
終戦後すぐに金沢美術工芸大学が創立されたことや、今年100周年を迎える金沢市工芸協会が象徴するように、しっかりと“積み上げられてきた基礎”がある。加えて先進的な“革新”を続けてきたからこそ、金沢の工芸の今があると思っています。

卯辰山から一望する金沢市街の風景

市をあげて作家を応援する稀有な街

ーー今お話にあった金沢市工芸協会100周年ということもあり、今年の秋は例年に増して、様々なイベントが開催されます。11月にはその金沢市工芸協会100周年記念事業として金沢・現代茶道具展「茶の時空間2025」があります。

本山:金沢市工芸協会って、すごくユニークな団体だと思うんです。日展系や伝統工芸展系といった会派を問わず「金沢で工芸に携わっている作家」であれば、誰でもエントリーできる。かつ、その事務局を「まち」つまり「金沢市」としてやっているのですから。市をあげて作家を応援して100年ということであって、そんなとこ全国を探しても他にないですよね。

金沢・現代茶道具展「茶の時空間2025」の会場の一つ「西氏庭園」

本山:11月に開催する「茶の時空間2025」では、過去から現代まで時空を超えて茶室で繋がることをテーマとしていて、100年の「歴史の厚み」と同時に「自由闊達さ」も感じていただけると思います。実際に作家さんのお道具も使いながらお茶会が行われますので、ぜひ楽しみにしていただけたら。
加えて、「都心軸KOGEIプロムナード2025」では市内7つのホテルロビーにて、金沢市工芸協会の作家さん方の展示をコーディネートさせていただいています。会議やお食事、ご旅行の際に、ぜひ各ホテルで工芸の魅力をご覧ください。

金沢・現代茶道具展「茶の時空間2025」/十一代大樋長左衛門作
「都心軸KOGEIプロムナード」風景(ホテル金沢)

世界的な工芸の「トリエンナーレ」や
国内唯一工芸に特化した「アートフェア」

ーー金沢・世界工芸トリエンナーレやKOGEI Art Fair Kanazawaも11月に開催されますね。

本山:金沢・世界工芸トリエンナーレ」も回を重ねて、まさに「工芸の世界的なトリエンナーレ」として育ってきていますよね。海外からのエントリーも年々増えているとうかがっています。ラグジュアリーブランドからの賞も加わったり、ハイブランドが手技や手工芸へのリスペクトを持って支援していこうとする流れにも合致していて、工芸に世界から熱視線が注がれているのは感じますね。

また、トリエンナーレに合わせて開催する「金沢の工芸の今」展では、金沢21世紀美術館から一番近い3つのギャラリーが連携して、トリエンナーレ入選者の作品を展示し、かつ購入することもできます。この展示に限らず、同時期に金沢市内のギャラリーでは工芸作家の展示が数多く開催されています。金沢市工芸協会のホームページからもイベント情報を見ることができますので、トリエンナーレと併せて街に出て色々な作品と出会って頂けたらと思います。

「2022 金沢・世界工芸コンペティション」展示風景
2022年の「金沢の工芸の今」展での「金澤水銀窟」2Fの展示風景

「工芸」で連携して、みんなで“パス”を回しながら

本山:KOGEI Art Fair Kanazawa」も、年々来場者数も売り上げも伸びています。気軽に購入できる工芸品から、ハイエンドなアートピースまであって、工芸に特化した唯一のアートフェアとして、コレクターの中でも「秋は金沢だね」と定着してきた感がありますよね。やっぱり「金沢で作られたものを、金沢でみたい」という欲求を、新幹線が開業したことにより気軽に実現できるようになったことも大きいと思います。国内外の有名ギャラリーさんの参加も増え、金沢に居ながら工芸の現在地を一堂に見て買えることも贅沢だと思います。

ここでご紹介したものに限らず、「GO FOR KOGEI」や「オトメの金沢」さんが主催するイベント、市の「KOGEIフェスタ!」など、それぞれが「工芸」というもので連携し合いながら、有機的なつながりが生まれていることが金沢の工芸の“厚み”につながっていると思いますし、お互いに「パス回し」をしながら、作家さんのサポートをしている感覚があります。実際に「展覧会で見た作家さんが気になって」とお客様がギャラリーにいらして作品の購入に繋がる、ということもしばしば起きてきているんですよ。

「KOGEI Art Fair Kanazawa 2024」での展示風景

ーーそれでは最後に工芸三昧の秋を目前に、皆様に一言お願いします。

本山:まさに「巡って出会う、工芸の現在」という、今回の企画テーマの通りです。今頑張っている作家さん達が、市内の至る所でいろんな形で展示を行うので、ぜひ美術館で展覧会をご覧いただき、街中のギャラリーも巡って、さらにホテルやお茶室の展示など巡回を楽しみながら、金沢の今の工芸に出会っていただきたいですね。

取材:2025年10月
画像提供:金沢市、金沢市工芸協会、金沢・世界工芸トリエンナーレ開催委員会

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<Profile>
本山陽子 Yoko Motoyama

1973年大阪府生まれ。金沢美術工芸大学 大学院 美術工芸学部 芸術学専攻 修了。10年の画廊勤務を経て2008年 犀川大橋のたもとにギャラリー「ガレリア ポンテ  galleria PONTE」を立ち上げる。現在は「KOGEI Art Fair Kanazawa」の 副実行委員長の他、金沢市長町の「atelier&gallery creava」にて統括ディレクターなども務める。

「galleria PONTE」 HP:https://galleria-ponte.art.coocan.jp/
「atelier&gallery creava」HP:https://creava-kanazawa.jp/

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